最期の電話
- NS
- 2019年3月15日
- 読了時間: 2分

ようやく暖かくなってきましたね。
昨年の夏に居宅事務所併設の訪問看護ステーションをスタートさせて、
秋と冬が過ぎ、4つ目の季節を迎えようとしています。
お陰様で順調にご依頼をいただいており、
無事に季節を一巡出来そうです。
昨年の秋の終わりの話。
うちの居宅のケアマネージャーと組んで担当させていただいた利用者のSさんは独り暮らしでした。
Sさんは寂しがりやでよくケアマネージャーに電話がかかってきていました。
日常生活で困っていることやちょっとした相談事など、
誰かに話をしたい時に聞いて欲しい相手だったのだと思います。
看護師が訪問した時も度々ケアマネージャーの話をしていて、
2人の関係性のよさを感じる事が多くありました。
ある時、急に体調を崩されたSさんは、
お家で過ごすことが難しくなり入院されました。
入院してからも、Sさんは度々ケアマネージャーに電話をしていました。
そして、Sさんは退院することなく旅立たれました。
Sさんが最期に電話を掛けた相手は、ケアマネージャーでした。
人生最期の時に電話を掛けたいと想える相手がいるっていいですよね。
そんな風に利用者さんに頼られているケアマネージャーは、
身内ながらすごいと思いますし、人として素敵だなと思います。
仕事をしていると、うれしいことや楽しいこともありますが、
ときに悲しみとか不安とか後悔や無力感とか色んな感情を抱くことがあります。
それも全てひっくるめて、いい仕事だなって思える職場で働けているのは
有難いことですし、このステーションと居宅事務所が私はとても好きです。
管理者3人の人柄が良くて、
きっとその暖かみが利用者さんに伝わっているのかなと感じています。
そしてふと思いました。
もしも人生最期の電話をかけるとしたら、
私は誰にかけるんだろう。
誰にかけたいと思うんだろう。
みなさんは誰にかけたいですか?
その時が来るまで答えはわかりませんが、
Sさんのように自分らしく、
精一杯生きていきたいなと思います。
看護師 TUN